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【青森/八戸】国内8人目、車いすバスケ国際審判員 小野さん(八戸第二養護教諭)取得

time 2017/05/23

【青森/八戸】国内8人目、車いすバスケ国際審判員 小野さん(八戸第二養護教諭)取得




 青森県立八戸第二養護学校教諭の小野裕樹さん(41)が、国際車椅子バスケットボール連盟公認の国際レフェリー資格を取得した。世界各国の代表がぶつかる国際試合を差配できる、県内では初めて、国内でも8人目という快挙だ。小野さんは「まだ夢のよう」と喜びつつ、ハイレベルな国際試合を間近で裁く体験を県勢の底上げにつなげたいと意欲を見せる。

■憧れ

県立青森第一高等養護学校(青森市)に勤めていた20代の頃、車いすバスケと出合った小野さん。障害者と同じ条件でプレーできる楽しさに魅了され、県内唯一の車いすバスケチーム「AOMORI JOPS」に加入、練習を続けてきた。

転機が訪れたのは、八戸第一養護学校時代の2010年、県内で公式試合を行うため、国際レフェリー資格を持つ福島県内在住の男性を招いた時だ。的確に試合の審判を下す傍ら、目標と向上心を持ってプレーする大切さを説く姿に、目を開かれる思いがした。「この人のようになりたい」。その場で希望を伝え、不定期にアドバイスを受けながらの勉強が始まった。

努力のかいあって、16年には国内最上位のA級審判員に合格。最後の難関が、ようやく見えてきた。

■狭き門

国際レフェリーになるには、まず日本連盟による数回の強化研修を経て、国代表の候補に選ばれる必要がある。小野さんは同年、10人の研修生から唯一選抜され、翌17年1月にタイで行われたアジア・オセアニア地区の世界選手権予選に派遣された。
ここでは各国の候補生に体力やルールのテストが課された上、さらに予選試合で試合審判に携わり、適性を見極められる。周囲が次々とふるいから落とされる中、公用語の英会話で必死にやりとりしながら、判断力を披露した。

「パス(合格)」。3度の実技審査の末、韓国、イランの候補とともに朗報を告げられた瞬間、背後には日本人審査員として厳しい目を注いでいた“恩師”がいた。「少しでも報いることができた気持ちと、(審判養成に対する)日本の取り組みの正しさを証明できた思いで、ほっとした」

■世界の熱

目の当たりにした国際試合は、他のスポーツ同様、荒々しかった。フェアプレーを重んじる“日本流”とは違い、あくまで勝利にこだわり、時に強引さも辞さない。ホイッスルを鳴らされると、つかみかかるような勢いの英語でまくし立ててくる選手も。一国を代表するプライドと本気度の高さを、肌で感じた。

「試合全般に気を配っていないと、すぐにトラブルが発生してしまう」。スキルアップを永遠の課題に据える一方、「国際舞台の熱を青森の仲間に伝え、競技レベルの底上げに還元できないか」と思案している。

20年の東京パラリンピックは、もちろん“出場”あしたい。「運営の裏方だけでもありがたいけど、コートに立てたら最高ですね」。

恩師から祝福の代わりに教えられた、役割と責任の重さを自覚しつつ、世界レベルでのボランティア活動に胸を膨らませる。

デーリー東北新聞社




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