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【八戸/震災6年】工場被災から再建「勝負の年」に 主力の「どら焼き」海外にも

time 2017/03/07

【八戸/震災6年】工場被災から再建「勝負の年」に 主力の「どら焼き」海外にも




東日本大震災の津波で、八戸市の館鼻岸壁にあった本社工場が甚大な被害を受けた菓子製造・販売の老舗「しみず食品」。2013年10月、同市の八戸北インター工業団地に新工場を建設し、従業員が一丸となって業務に取り組んでいる。現在は地元や国内の流通はもとより、海外展開を強化して販路を拡大。主力製品のどら焼きは北米やアジア各国で販売され、輸出先はさらに増える見込みだ。6年前の震災から再起した田中洋社長(67)は「新しいしみず食品をつくりたい」と決意をにじませる。

新工場は最新鋭の製造ラインや設備を整え、どら焼きは1時間当たり最大約1万個を製造可能。稼働率は徐々に上昇し、平均7~8割ほどに。昨年12月には初めてフル稼働した。

土産品として人気の創作洋菓子「いか墨カスター」などのほか、国内の百貨店やスーパーで販売される商品を製造。海外展開にも力を入れ、どら焼きは商社や海外のバイヤーを通じて香港、カナダ、米国、韓国などで販売されている。今後はペルーやシンガポールにも輸出される予定だ。

味やパッケージは取引先によって要望が異なり、それぞれに合わせた商品づくりが必要。受注増に伴い、食品安全に関する国際規格の取得も目指す。田中社長は「いつも研究と試行錯誤を続けている」と語る。

市場調査を兼ねて訪れた香港のコンビニで、自社製造のどら焼きを見つけたことも。「やっぱり感動したよね」。遠く離れた場所での偶然の“再会”に、心から喜びがこみ上げた。

深い悲しみと失意のどん底に落とされた震災を乗り越え、再起の象徴となった新工場。ただ、移転後は一からのスタートとなり、苦難の連続だったという。

震災前は約130人の従業員を雇用。出荷当日の朝に作る和菓子の「朝生(あさなま)」や季節商品を中心に製造していた。だが、事業再開後に戻った従業員は一部で、現在働く約40人は新規雇用者が大半。田中社長は「本当にやっていけるか不安だった」と振り返る。

そこで、生産体制を見直し、製造ラインの利点を生かした業務に転換。日持ちする商品をメインに製造し、取引先の開拓や海外展開の成功にもつながった。

田中社長は今年を“勝負の年”と位置付け、「事業を軌道に乗せる1年にしたい」と意気込む。一方で、将来的には冷凍技術などを活用し、再び「朝生」を作りたいとの思いもある。

「これから、新しいしみず食品をつくっていく。ゆくゆくは震災前のように、朝生の団子や大福を供給できれば。それが地元にお世話になったうちの使命だ」

参照:デーリー東北新聞社




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