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【下北/佐井】佐井の「漁師縁組」、4人目移住

time 2017/04/29

【下北/佐井】佐井の「漁師縁組」、4人目移住




 青森県佐井村が全国から漁業後継者を受け入れ育成する「漁師縁組事業」。今春、男性4人が村に移住し、事業が本格的に始動した。4人目となる世良昌士さん(28)は4月中旬、札幌市から移住。今後、同村牛滝地区の佐井村漁協組合員でつくる「牛滝漁師会」(竹内淳一会長)のメンバーらにさまざまな漁法を学ぶ。世良さんは「漁師で食っていく。きれい事ではなく、お金になる漁を見極め、最終的にどれをやるか決めたい」と将来を見据える。
札幌市出身の世良さんは北海道の大学を卒業後、父親の背中を追い、北海道警に入った。2011年秋に警察学校を卒業、釧路市の交番に配属されたが、しばらくして大腸がんが見つかった。「びっくりした。医者にも(まだ23歳で)珍しいと言われた。でも、なっちゃったから仕方ない」と淡々と当時を振り返る。
手術を受けたが、肝臓への転移が見つかり、抗がん剤治療を続けた。その間、仕事は休職した。「同期がいっぱいいて、後れをとるのが嫌だった。まだ若かったから…」。がん発見から約2年後、警察を辞めた。
その後、動物が好きだったこともあり、北海道清水町の牧場に就職、牛の搾乳に従事した。「実家が土地を持っているわけではなく、このままだと一生雇われの身。自分でやれる仕事ができないか」と考えたという。昨年6月ごろ、インターネットで佐井村の漁師縁組事業を知った。
「漁師は、自分自身でやれる仕事。なかなかないチャンス」と事業に応募。書類審査や面接を経て、内定を決め、4月14日に村に移り住んだ。
漁師デビューとなった20日は、海はしけ模様。竹内会長(54)の指導で、イカ網漁に使う網の修繕作業を行った。「手先が器用じゃないし。めちゃめちゃ難しい」と苦戦する世良さんの横で、竹内会長は一つ一つ手順を教えた。「ある程度は経験。わいど(私たち)でも最初からうまくやれたわけでない。早く覚えて、牛滝の一員になってほしい」と竹内会長は期待する。
世良さんは「がんは発見から丸5年以上たつが、抗がん剤で消えたようだ。両親は海を渡り離れて暮らすことに少し戸惑ったようだが、自分で決めたのならと送り出してくれた」と話し、「牛滝には若い漁師が結構いるので、それなりに食えるということだと思う。食べていけるようになりたい」と力を込めた。

東奥日報社




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