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【下北/むつ】“幻”の「ゴンドラ」県内上映を/85年撮影、むつで試写会

time 2017/05/30

【下北/むつ】“幻”の「ゴンドラ」県内上映を/85年撮影、むつで試写会




 1985年夏に下北半島で撮影されたが、青森県内で上映されず「幻の青森ロケ作品」ともいわれる映画「ゴンドラ」の青森県上映を目指す動きが出ている。東京や大阪などで今年、リバイバル上映されたことに触発され、むつ市を中心とする有志が28日、同市の眞心堂ファミリーホールで試写会を行った。参加者10人は、約30年前の佐井村の仏ケ浦や牛滝地区、大間町の海岸など美しい景観が映し出されるスクリーンに見入った。
映画は、下北から上京しゴンドラに乗って高層ビルのガラスの清掃をする青年・良と、高層マンションに暮らす少女・かがりとの心の交流を軸に展開する。母親とのあつれきを抱えるかがりを、良が思い切って故郷に連れて行くというストーリー。87年から88年にかけて、東京の小ホールや単館系映画館で公開された後は、数カ所で上映されただけで「幻」の作品となっていた。
今回の試写会を呼び掛けたのは、むつ市の県非常勤事務員吉田ゆかりさん(41)。1月の東奥日報紙記事で作品の存在、東京などでのリバイバル上映を知った。「下北ジオパークの30年前の貴重な姿が残された映画をむつと佐井で上映できれば」と、さまざまな地域活動でつながりのある仲間に呼び掛けて開催した。
作品を鑑賞した吉田さんは感極まった様子を見せ「反抗的だったかがりが海を見て子どもらしくなる。下北の海の癒やしの力を感じた。舞台が下北に移ってからは、ここはどこかな?と考えながら見られると思う」と話した。
青森市での上映を目指している青森公立大学の飯田俊郎教授(52)も試写会に参加。「カメラの裏側に地元の人たちがいっぱい関わっていたと思う。やはり地元で上映したい」と意気込みを語った。
ロケ地の住民の動きを制作者も歓迎する。貞末麻哉子プロデューサー(東京都出身)は取材に「数年かけて、いくつもの半島や東北沿岸を見て回り、最後の最後に出合ったのが下北半島の佐井村だった。まさに青年・良を育んだイメージの村だった」と打ち明ける。
同プロデューサーは「経済的な体力がなく、地元でのお礼の上映の機会を作れずに30年たってしまった。今回、みなさんのお力添えでかなうのであれば、私にとっても心深い上映になる。ぜひ足を運びたい」と期待を寄せている。
吉田さんや飯田教授は今後、秋以降に佐井村、むつ市、青森市を巡回する形式での上映を目指し準備を進めるという。

東奥日報社




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